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気ままに殴り書き

日々感じたことを、気ままに書き記す予定でしたが。。。

会社を「休めない」日本人の生産性は低いのか?

ニュース深読み

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ニュースサイトを巡回していると、東洋経済オンラインに『「休めない」日本人の生産性が著しく低い理由』と題した記事がありましたが、多くは的を得ているものの、一部に「これは如何に?」との思いもあり、意見を掲載します。

 

記事の展開は以下のようになっています。

  1. 厚生労働省が10月中旬に発表した「就労条件総合調査」によると、4432法人のうち、2014年の年休取得割合は47.6%に過ぎない。他方、欧州では100%ちかい国もあり、アメリカは70%台となっている。
  2. 日本の年休取得割合が47.6%に過ぎないのは、「休む=悪」という空気が職場に蔓延していることもあり。これは感情的な問題。この感情的な要因には、科学的根拠で覆す(休む=悪ではない)必要がある。
  3. 上記2の「科学的根拠」としては、「休みは疲労解消といった防御的な働きだけではなく、自分のパフォーマンスを高めてくれる」というポジティブな作用あり。日常のルーチンワークの延長にはない発想が求められる日本には、「休む」文化が必要。
  4. 米国人は休み上手である。かといって米国人の仕事の質が低いわけではなく、グーグルやフェイスブックに代表される世界的なイノベーションが今も活発である。
  5. 日本では政府や会社が、有給取得を推奨しても、現場ではそうはいかない。有給休暇取得自体を目標とし、結果 他の日が残業になることも多い。このなか、「休む」意味を考え、ユニークな施策を出す企業も現れ始めている。

 

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「会社を休む=悪」との見解について

確かに、自分の状況・各種ニュースを顧みても、1・2・3は仰せの通りですね。特に2については、最近ではこのような意識は薄れつつあり、「休むこと=悪」とまではいかなくとも、記事でも掲載されていたように「同僚に申し訳ない」との意識があり、例えば、以下の状況があるのではないでしょうか。

  • 連休の谷間に休暇を取得したいものの、みんなが同様に思っているだろうから、自分が先陣をきって休むとは言えない。
  • 欧米のように毎年とはいかなくとも、数年に一度ぐらいは、思い切って2週間ほどの連続休暇を取りたいものだが、そんなことは以ての外。
  • 会社を休む場合には、大義名分が必要。何となく休みたい、はダメ。
  • 病気になって長期休暇を正々堂々と取得する場合、妙に「ホッとした気持ち」になる。
  • 長期休暇明けに、会社に行くのが恥ずかしい。

 記事の5についても、おそらくは多くの企業で、政府が推奨するから、労働基準監督署の手前、形式上は「残業をさせない、有給休暇を取得させる」施策を打ち出してはいるものの、どう仕事を効率化させて「社員の有給取得を後押しするか」が論点にはなっていないのではないでしょうか。

東洋経済オンラインの記事のとおり、本来の筋道は「仕事の効率化を達成する。生産性を向上する」、そして「社員の有給取得率を上げる」の順番ですが、後者のみに重きが置かれているのが実態かと思います。

 

本当に日本は生産性が低いのか

 「日本人 生産性 低い」で検索かけると多数ヒットし、ダイヤモンド・オンラインの「日本人の生産性は先進国で19年連続最下位」の記事が目に飛び込んできます。この記事では「トヨタなどの製造業では生産性は高いが、非製造業、もしくは製造業のなかでも製造の現場以外の生産性の低さが、全体の指数を押し下げている」ことに言及しています。

果たして、ホントにそうなのか。非製造業が指数を押し下げていることはわかりますが、諸外国と比較して、それほどまでに生産性が低いのでしょうか。

感覚で記載するのも危険なのですが、仕事柄 様々な国と二十数年間 、毎日のようにメールでやり取りしている私の経験則では、必ずしも日本の非製造業の生産性が低いわけではない、との認識でいます。

例えば日本と海外を比較すると、私の業務の範囲内では以下のとおり、国民性の違いもあり、生産性云々よりも「仕事に対するこだわり」が異なります(もちろん、日本のほうが細かい)。

日本の「おもてなし」で海外の方が驚嘆されるのと同様に、生産性の指標とは関わりのないところで、ある程度の労力を割いており、これが必ずしも「生産性が低い。生産性が低いのは悪」とは言い切れないと思います。

  • 欧米では、夏季休暇として2週間程度の連続休暇をとることが多いが、休暇期間中は業務の代替者がいるとは言え、細かいところでは担当者不在のため業務が遅延してします。これは生産性の議論以前に非効率。
  • やはり全般的には、日本のほうが仕事が丁寧。例えば、数字への追及についても、双方で本来は一致すべき数値に認識の相違があった場合、日本は細かいところまでも追及するが、(日本以外を一括りにするのは危険ですが)日本以外の国では「大枠がズレていなければ間違えていることにはならない」との傾向もあり。この積み重ねが「労働時間の増加・生産性の低さ」に影響しているかもしれませんが、これは生産性ではなく、どこまで正確に業務を行うかの問題。

 

 さらに、「日本人 生産性 低い」の検索でヒットした記事を読み進めていくと、「日本人の生産性が低いことに対する、データの取り方に関する見解」が多数あります。こちらの記事にある「生産性の指標」の算出根拠・データの取り方を参照しつつ、「必ずしも日本人の生産性が低いのではない」ことを検証しようとしたものの、素人が短時間で行うのは、さすがに無理ですね。

いづれにしても、何ら数値では示すことはできませんが、単純な指標に基づく「生産性が低いから、もっと生産性を高めるべき」との議論は、局所的にはそうかもしれません。

ただし、データでは見えない日本のサービスやら、付加価値やら、仕事の正確性も合わせて議論すべき、または単純にデータのみで判断し論議すべきではないと思います。